この記事は、ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドを20年勤めた後44歳で独立した著者による、長いようで意外と短い「人生の残り30年」を有意義に生きていくための考え方や方法が書かれた本を紹介しています。これからの30年を思い描きながら、それにつながる”今日できること”も書いていますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
✅ はじめに
残り30年。
30代の会社員なら、およそ定年までの時間。
40代なら、これまでの集大成を考えていく時間。
50代なら、人生の締めくくりの時間に突入。
60代、70代でもそれぞれの時間の意味があります。
これからの30年をどう過ごすか。
今までの延長か?
でも、世の中が変わっていく以上、あなたの意志とは無関係に、今まで通りとは
いかないかもしれません。
ここ2~3年前ぐらいのことを振り返ってみてください。
その数年だけでも心当たりがありませんか?
どうせ先行き不透明であるならば、これからの30年を、そのための一瞬一瞬を
味わいながら生きてみませんか?
本書はそれを可能にしてくれます。
✅ 目次を読んで思ったこと
本書の主な目次は次の通りです。
はじめに
第1章 冒険前の「現在地」を見つめ直す
第2章 「冒険の地図」を手に入れよ
第3章 冒険に「必要な武器」はあなたのなかにある
第4章 トラブルはマジカルチャンス!
第5章 感動的な冒険は人と人とのあいだで生まれる
おわりに
著者は本書校了前の2024年に59歳で重症の急性膵炎を発症。高熱と嘔吐が1日中続くという状況が13日間もあった中で苦しいながらも声が出せて、かすかながらも鼻歌が歌えたそうです。
「人間はどん底にあっても歌えるものなのか。これが人間の本性なのか」
と気付いた著者は、充実した人生を生きるためは「野生にかえり、本能を出す」ということが大切と強く思い、本書の根本にはそのメッセージが込められているとのこと。
残りの人生を「冒険する」つもりで自分らしく、人間としての力を発揮して生きていく。
そのための心構えや考え方、具体的な行動が綴られていて、力強くも優しく寄り添って応援してくれる内容になっています。
✅ 本書の概要(どんな内容?)
- テーマ:「人生100年時代、残り30年をどう生きるか?」に対する、自分なりの答えを見つけるための“人生設計本”
- 対象読者:30代〜50代のミドル世代やキャリアの終わりが見え始めた会社員、これからの人生に不安や迷いを抱えている方
- 書き方:語りかけるようなやさしい文体で、実体験をベースにしたエピソードが豊富。
✅ 印象に残ったポイント3選
1. 答えはすでに、あなたの中にある
何かをインプットしたら自分に照らし合わせて考えてみる「スウィング」
ディズニーの人材育成の現場ではインプットと自問自答を振り子のように行ったり来たりさせながら成長していこうという「スウィング」という考え方があるそうです。
何かの答えを求めているなら、それは自分の中から導き出せるのです。
その時に大事なのは自分に嘘をつかないこと。過去のつらい経験があっても目をそらさず、かといって正当化もせず、正面から自分と向き合うことだそう。
結局、どんな答えを出すか最後に決めるのは自分ですし、正直に自分と対話して出た答えであれば、その結果が良くても悪くても納得できますね。
2.自分は、「探す」のではなく「探る」もの
「自分探しの旅」がしたいのは、現実から逃げたいから
人生に悩みを持つ多くの人々のほとんどが、次の3つの自分探しのワナにかかっているそう。
その3つとは、
①ずっと自分探しを続けて「ふらふら」している
②将来の目標は決まっているけれど、できない理由ばかりならべて「ぐるぐる」と回り続けている
③やるべき行動も決まっているけれど、あと一歩のところで踏み出す勇気を持てず、「うじうじ」している
この3つへの著者からのメッセージは
①「ふらふら」な人←自分を探してもどこにも見つからない。自分は「探す」ものではなく「探る」もの。自分軸をしっかり決めて常に自分はどうありたいのか、どうしたいのかと自問自答をすること。
②「ぐるぐる」な人←なぜ「ぐるぐる」してしまうのかを明らかにして、抜け出すためにとにかく行動する。行動すれば実現のための方法・手段は必ず見つかる
③「うじうじ」な人←本書(この記事でも大丈夫です)を読んだらどんな小さなことでもいいので、「いま、ここから」、まずは何かひとつはじめる
②③は特に行動に関するメッセージですね。小さなことって、最初は意味がないように感じてしまいますが、目標に進む確実な一歩です。一歩進めば、また道が次の道が見えてきます。少しずつでも行動していきましょう。
3. お金持ちではなくリッチになる
自分にとっての幸せとは何かを改めて考える
なぜお金持ちになりたいのでしょうか?
生活に困らなくなるから以外に「他人からチヤホヤされたい」という気持ちがあったりしませんか?
もしそうだとしたら、それは”他人軸”で生きていることになります。
自分にとっての幸せとは何か?を改めて考え直し、満たすようにすると、お金の多い・少ないは幸福度に関係なかったりします。
自分にとっての贅沢や幸せなお金の使い方を通じて、”自分軸”を基準にしていきましょう。
残り30年、他人の目を気にして、他人から褒められたりすごいと思われることを求めてふらふらとしているのはもったいないです。
✅ 今のあなたに、本書から伝えたいこと
僕自身、残りの人生は長くても30年ぐらいだろうなと思っていました。そのタイミングで本書に出会えました。面白い偶然です。
今が何歳であっても、残りの30年について思いを馳せ、「自分らしく生きる」ために現場に行って少しでも行動する。行動なしではせっかくの読書も活かされなくなってしまいます。
本書の方法を「自分だったらこれぐらいならできるかも」と分解してから始めてみるのもよいですね。
✅ 今日からできる小さな一歩
★自分の名前を見つめ直す
日々の生活に迷いがあったら、両親が付けてくれたご自分のお名前の意味を改めて考えてみてはどうでしょうか?
ご両親があなたがどんな人生になるように思いを込めて名前を付けてくれたのか。
本書では
「名が体を表す」よりも「名が体をつくる」
と書かれています。あなたのお名前こそが迷いなく生きるためのヒントになるでしょう。
長いようで意外と短い30年。その道しるべとなる本書はとても心強い味方です。
なお、本書は僕が参加している書評チーム「ツナグ図書館」を通じて読ませていただきました。「ツナグ図書館」についてはこちらでご紹介していますのでどうぞ読んでみてください。
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