この記事は、人生の苦しみに効く仏教の教えを、基本的なことから深い部分まで兄弟副住職が教えてくれる本を紹介しています。悩みを手放すために今日からできることも書いていますのでぜひ最後まで読んでいってくださいね!
本の概要
人生の悩みや苦しみが和らぐ考え方を仏教から学ぼうという1冊。序章から5章まであり、心がラクになる考え方やお坊さんのリアル、仏教の詳しい内容が口語体で書かれていて、まるでお話を直に聞かせてもらっている、そんな感覚になります。
各章の冒頭は、ある青年とお坊さんのミニストーリーから始まり、それから仏教の解説に繋がっていく構成。「精進料理の本当の意味」「お坊さんのクリスマス事情」などのコラムもあり、お寺や仏教という存在を身近に感じることができます。
仏教で押さえておくべき「三つの教え」
教え一:諸行無常
「諸行無常」は著者によると
仏教の“ベストオブ究極”。
仏教のあらゆる考え方の基本となる考え方です。
「諸行」は宇宙に存在するすべてのもの、「無常」は絶えず変わっていくということ。
つまり「諸行無常」とはこの世に変わらないもの、永遠に続くものなど何一つないということです。
モノは時間が経てばだんだん悪くなったり壊れたりするし、天気も毎時間変わる。私たちの心も、状況によって喜怒哀楽の変化がありますよね?それは常に自分が変化しているということで、同じ状態であり続けるものではありません。
この「諸行無常」を基本とすると、極端な話、
・「人生に意味など、もともとない」→なぜ?→諸行無常だから
・「自分と思っている存在、すべて錯覚です」→なぜ?→諸行無常だから
ということになるそう。すんなりとは受け入れづらいですが本質に照らし合わせるとそういうことになります。
この考え方をすると
・今が幸せ!→でもいつまでも続くとは限らない→今の幸せを大切にしよう
・現状がツラすぎる……。→でもこのツラさには終わりがある。また、ツラさを感じる自分は変化する→ツラさを乗り切れる。ツラさを解決するために行動できる
という風に、今目の前に起きていること、感じていることへの捉え方を変えることができます。
教え二:諸法無我
「諸法」とはすべてのもの(宇宙のいっさいの現象)、「無我」とは我(自我)がない、固有の自分はないという意味。つまり「諸法無我」とは「この世にずっと変わらない実体は一つもないし、これだと思っていた自分もない」ということだそう。
「諸法」は何となくわかりますが、「無我」は少し難しいですね。固有の自分がないというのは、ずっと固まったままで変化しないものはないということでしょうか。
「諸行無常」と合わせると
「すべての物事は移ろう」
↓
「ずっと変わらないものは一つもないし、固有の自分もない」
↓
「だから『これは自分』と思っているものも錯覚にすぎない」
となるそう。「これは自分」と決めつけることはできないとするのがこの教えです。
自動車のパーツのように、魂や肉体、臓器が組み合わさったのが「自分」であり、その組み合わせもたまたま出来上がったもの。そうした縁があったにすぎないと解説されています。
お金や家、車などの所有物も手に入れたと錯覚しているだけ。楽しい事やツラい事さえもすべてその時々の錯覚で、僕らはその錯覚に一喜一憂しているのだそうです。
何だかさみしい気もしますが、ツラい(と思った)こともいずれこの身から離れていくと考えると少し気がラクになりますね。
教え三:涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)
「涅槃(ねはん)」とはすべての煩悩(あらゆる欲望、執着、怒り、妬みなど、心をざわつかせるもの)をなくした悟りの境地。
「寂静(じゃくじょう)」とは何があっても自分に関わることをしないで関心を持たない状態のこと。
本書の例えによるとロウソクの火を吹き消したときに煙が立ち上がる、あの静かな瞬間。怒りも不安も、いっさいの苦しみもない静かな世界のことだそう。
居てもいなくても関係ない、けど実はすべてのものと縁があって関係している。
少し難しいですが、これが“悟りの境地”であり、仏教が目指す場所です。
今日からできること
「思い通りにいかないことが当たり前」ということを少しずつ受け入れる
「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」を「三法印」というそうですが、それに加えて「一切皆苦(いっさいかいく)」を加えて「四法印」とする場合もあるそうです。
「一切皆苦」は何事も思い通りにはならない、自分でコントロールできることはないという意味。
自分の行動はある程度自分でコントロールできる気はしますが、他人のことや予想だにしないこと、自然災害などは自分の外で起きることで、実際はコントロールできません。
思い通りにいかないことが前提と分かると、期待通りでなかったときも、「そういうこともあるか」とある種のあきらめがついて、不安や怒りが収まります。
毎日のことすべてを思い通りにならないといきなり割り切るのは難しいと思いますが、例えば電車が遅れた、天気予報が外れたなんて時に
「思い通りにならないものだな……。」
と考えられると自ら苦しみを生むことが減っていきます。
まとめ
日々ツラく感じること、それは自分で生み出しているのであって、生きている以上はついてまわるもの。そのことに抵抗するのではなく、まずは「そういうものなんだ」と認めてみましょう。
その上で、ツラさも無常、いつか終わりがくると考えることができたら今が少しラクになるし、これからの日々も違った気分で過ごせるでしょう。
この他、「よい悪いを自覚して何らかの行為をしない」という教えもあるそうです。よいことをして徳を積んだと思えばそれも煩悩となるとのこと。見返りがなければ怒りにつながって苦しむことになるわけです。
この記事では主に本書にある仏教の基本について書きましたが、他にも宗派の違いについて、「坊主丸儲け」の真実、お坊さんになるにはどうすればよいか?等、仏教に関する様々な情報が読みやすく書かれていますので、仏教に興味が湧いてきましたら是非お手にとって読んでみて下さい。
なお、本書は僕が参加している書評チーム「ツナグ図書館」を通じて読ませていただきました。「ツナグ図書館」についてはこちらでご紹介していますのでどうぞ読んでみてください。



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