毎日のちょっとした行動が大切。『得意なことの見つけ方』を書評

ツナグ図書館

この記事は、自分の得意なことを見つけて行動できる本を紹介しています。自己分析に伴うしんどさが軽くなる方法も書いていますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

【書名】
得意なことの見つけ方 自分探しにとらわれず、すぐに行動できる技術

【著者・出版社】
澤円著 KADOKAWA刊

【おすすめポイント】
●自分の得意なことが見つかり、人生に活かせるようになる
●すぐ行動できるようになる
●未来志向が身につく

【本書はこんな感じ】
本書のテーマは「得意なこと」の見つけ方です。特に就職や転職で自己分析する必要があった時、自分の強みやアピールポイント探しが難しいと感じたことはありませんか?自己分析って自分のことなのに、意外とすんなりいかないですよね。

本書によると自己分析に苦労するのは「自分の弱い部分や失敗した過去をまざまざと見せつけられ、それらに向き合わなければならない作業がある」からだそう。

本来は自由に考えて行動できるはずなのに、世の中の情報に自分をあてはめて無理に自分とむきあおうとするから上手くいかない、とも書かれています。確かに自己分析にはセオリーがあって、それありきで自分について考えなければならないのは窮屈に感じます。

著者はそんな自己分析をもっと軽やかなものに変えていけないかと思い本書を書き始めたそう。「自分の得意なことを見つけることは人生を幸せなものにしていくために大切なことに違いない」の一節には僕も大いに共感します。

そんな本書の構成は次の通りです。

はじめに なぜ自己分析はしんどいか
第1章 行動によって‘’ゆらぎ’’をつくれ
第2章 「ありがとう」といわれる才能
第3章 「わたし」を再発見する
第4章 すぐ行動できる人になる
第5章 人生を豊かにする「得意」の活用
おわりに 半径5メートル以内の人を笑顔にする

第1章では本書の特徴となる“「自分と向き合う」しんどさに代わる、軽やかなアプローチ”が紹介されています。

第2章では得意なこととは語学やIT、コミュニケーション能力といったことだけでなく、あくまで自己評価を基礎としたもっと多様で個人的なものであることと解説。

第3章では自分のこれまでの人生を振り返りながら自分を正しく「観察」して未来志向で自分を再発見することについて。

第4章では自分の得意なことを活かすためにすぐ行動に移すための方法を。

第5章では他人も含めた一人一人の得意なことをつなげて世の中に広くシェアしていくあり方について書かれています。

第1章の“「自分と向き合う」しんどさに代わる、軽やかなアプローチ”とは何でしょうか?

それは、著者によると能動的に行動して自分にインパクトが残るような“ゆらぎ”をつくることだそうです。自分の思考や感情が揺さぶられるような経験をするとも言えるでしょう。行動の結果が自己分析の要素となるのです。

行動自体は日常のちょっとしたことでよくて、著者の例では旅行のお土産とかではなく、平時からみんなが好きそうなお菓子を配り、渡す際にひとこと相手に話しかけるというものでした。

お菓子を手にする人もいれば受け取らない人もいて、それらは情報として得ることができ、次回に活かすことができる。行動することで貴重な情報(インプット)が増えていき、自分で行動するからこそ、自分だけに向けた情報がどんどん増えていくのだそうです。

“ゆらぎ”を生む行動は、興味があることを少し背伸びするくらいの感覚で「ちょっとやってみる」という感じでよいそう。著者の場合はシンプルに「面白いか、面白くないか」が判断基準だそうです。


そして大事なのは自分が未来にどうなりたいかを描く事、自分というのは未来にあると考えることだそう。

過去の自分のように未来を生きる必要なんて全くなくて、「こうなりたい」と思える自分の未来を否定しない、むしろそこにこそ自分がいるのだと探しに行く。著者のこの考えはとても素敵だと思いました。


第2章以降で具体的に自分の得意なことの見つけ方、得意なことを活かして人生を豊かにするにはどうするか?が書かれていますが、個人的に特に響いたフレーズが3つありました。

◯人生がどう転ぶかなんて誰にもわからないのだから、「とりあえずやってみよう!」ということ
◯「生きているうちに間に合えばいい」と考えてみる
◯「どこかにいる誰か」になにかをいわれることを恐れて自分の行動を制限するのは馬鹿らしい

これらのフレーズから、「自分は、自分でつくった見えない不安に自分で勝手に怖がっていたり、焦っていたりしているだけだ」と気付かされました。行動できないのは外部の影響があるようで、結局自分に原因があるんですよね。

だとしたら、自分で自分を抑えて行動しないとういのは勿体無いのです。

得意なことは行動してこそ見つかる。
特に人から「ありがとう」と言われる行動は些細なことでも得意なことにつながっていく可能性を秘めているので、日頃から気にかけてみましょう。

本書を通じて得意なことに気付き、それを活かして行動する人も自分も嬉しくなる、そんな人生を送ってみて下さい。


なお、本書は僕が参加している書評チーム「ツナグ図書館」を通じて読ませていただきました。「ツナグ図書館」についてはこちらでご紹介していますのでどうぞ読んでみてください。

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