やる気がなくても大丈夫!短時間でできる読書術本『没入読書』を書評

ツナグ図書館

この記事は、やる気や意思の力を使わなくても本が読めて、その結果生産性が上がったり、考えを言葉にできるようになるといったメリットが得られる読書本を紹介しています。20〜40分で「本を読んだ状態にできる」方法も書いていますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

【書名】
没入読書

【著者・出版社】
渡邊康弘著 サンマーク出版刊

【おすすめポイント】
●人生が変わる本の読み方・実行方法がわかる
●誰でもできる読書術だから、誰でも効果が出る
●エクセルに慣れるきっかけになる

【本書はこんな感じ】
「昔は本をよく読んでいたけど務め始めてからは時間がなくなり、読めなくなった」

「読んでも内容が頭に入らない」

「なんとか読み終わっても、内容を思い出せない」

こんなことはありませんか?もし経験があればその原因は仕事や年齢にある─かと思いきや、実は意外な理由がありました。それは、本書によると

スマホに触れる時間が長くなった

ただそれだけだそうです。

スマートフォンは本や手帳の代わりになるだけでなく電話、メール、ネットなどができるので、今や仕事や遊びに欠かせないものになっていますよね。それだけにスマートフォンに時間を使うことが多くなり、その分読書の時間が減るのは必然なのかもしれません。

では、やる気や意志の力に頼らずに集中して本を読むにはどうするか?それが本書の読書術「没入読書」です。ほんの少し読み始めたらいつの間にか読書に没頭していた、そんな読み方です。

「没入読書」を学べる本書の構成は次の通りです。

prologue 本を読めなくなった私たちが読書を取り戻す方法
1章 集中できない時代の「没入読書」
2章 没入して読むための7つの方法
3章 究極の没入読書法「レゾナンスリーディング」
4章 本に人生を全振りしたら起きたこと
epilogue 本と前向きな想いさえあれば、いつだって人生はやり直せる

1章では没入読書で得られる7つのメリットが書かれていますので、そちらもご紹介します。

1.集中力・フロー状態
2.疑似体験・エンタメ
3.頭がよくなる
4.心の整理ができ、ストレスが軽減できる
5.コミュニケーション能力が向上する
6.生産性が向上し、仕事力と収入が上がる
7.アイデアが湧き、言語化できるようになる

「3.頭がよくなる」とは記憶力や思考力、計算力、言語力といった学力のことだそう。のめり込む読書によってその内容が身につくことはもちろん、リラックス効果によって精神の安定にもつながるとなったら、試してみたくなりますよね。


多くのメリットがある「没入読書」に適した究極の読書法が「レゾナンスリーディング」というもの。はじめて取り組んだ場合でも20~40分程で「本を読んだ状態にする」ことができるそうです。

「レゾナンス」とは「共鳴」「共振」という意味。レゾナンスリーディングでは本が持つエネルギーと共鳴することにより自分自身の「隠れた才能・言葉」を導き出していきます。

レゾナンスリーディングはステップ0~ステップ5まであります。

ステップ0 本を手に取り、自分の課題を明確にする
ステップ1 本をパラパラさせて脳にインストール
ステップ2 3分割したマップに波線を描く
ステップ3 波線の気になるところのページから単語を抜き出す
ステップ4 気になる単語をもとに、問いかけながらその箇所を読む
ステップ5 その本から得たアイデアを活用する行動計画を作る

それぞれの詳しい内容は本書にゆずりますが、大まかにまとめたものが次の通りです。

ステップ0
・読みたい本とA4ぐらいの白い紙と3色以上のペンを用意し、紙を横にして左寄りの上に「目的」「行動計画プロジェクト」「書籍名」を書くための3本の横長のレーンを描く。その下に四角い枠を三等分した「三幕」を描く(レゾナンスマップ)。
・読書の目的を設定し、集中するための呼吸法を行う

ステップ1
・本全体を眺める感じでパラパラさせる

ステップ2
・レゾナンスマップの右上から左下へ直感的に波線を描いて気になるところ6箇所に矢印を付けて、ランダムにページ番号を書き、優先順位をつける

ステップ3
・優先順位順に見開きページを眺めて、目に飛び込んできた言葉をマップにメモする

ステップ4
・マップを眺めてもっと読みたいと思う箇所を8分間(10ページ前後)読み、一旦呼吸を整えて、何を知ったら本を読んだ状態になるかを考えてもう5分読む

ステップ5
・左端の一幕目に一週間以内の新しい「出来事」もしくは「人に会う」予定、中央の二幕目に3カ月から半年の予定(自分の内面と向き合う時間を入れる)、右端の三幕目に1年から3年の長さで実現可能性の高い妄想を書き込む
・三幕の上の真ん中の「行動計画プロジェクト」にプロジェクト名をつける

ステップ0~5を全て書き込んだレゾナンスマップの最終形はこんな感じです。

出典:渡邊康弘「没入読書」(サンマーク出版、2025年)


なお、本書のミッションは『世界中にいる「読書が苦手」な人をなくすこと』だそう。やる気にも意思にも頼らないレゾナンスリーディングなら苦手意識も克服できそうですね。

また、本書をご出版のサンマーク出版代表取締役・黒川氏は「本にはつくり手の膨大なメッセージが宿っており、それは読者の人生を変えるパワーがあると信じている」とメッセージを出しておられているそうで、それは僕も感じています。

本一冊が世に出るには何年もの月日と著者、著者の関係者、出版社、印刷会社のエネルギーに加え、手に取った時には本を売り場に並べる書店員やECサイト運営者のエネルギーも籠もっています。

読書の時はそうした様々なエネルギーをご自身のものにしてよりよい人生に繋げていただけたら、書評した僕も嬉しいです。

「没入読書」、どうぞ体験してみて下さい。



なお、本書は僕が参加している書評チーム「ツナグ図書館」を通じて読ませていただきました。「ツナグ図書館」についてはこちらでご紹介していますのでどうぞ読んでみてください。




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